総務省は7日、平時は出入り口として利用し、洪水時はゲートを閉めて堤防となる河川の「陸閘(りっこう)」に関し、操作員の安全を確保するため、閉鎖が未完了でも避難を優先するといったルールの明確化を国土交通省に勧告した。河川を管理する自治体に対しても、国交省から運用ルールの改善を促すよう求めている。
 ゲートの操作は、地元の自治体のほか、自治会や消防団、水防団など地域住民が担う場合がある。総務省が、国や都道府県が管理する1、2級河川にある約2500基のうち110基の運用ルールを調査したところ、操作員の安全に配慮した規定がなかったのは約4割に当たる46基に上った。また、ゲートからの氾濫で生じた損害を負うのは、操作員ではなく、国や都道府県といった河川管理者と明確に示しているのは14基にとどまった。
 このため総務省は、安全に操作できない場合、避難を優先するなどの運用ルールの明確化を求めた。また、損害発生時の河川管理者の責任をはっきりさせないと、操作員が危険な状況でも作業を続ける恐れがあると指摘。操作員に重大な過失がない限り、河川管理者が責任を負うことを基本にルールとして示すことも勧告した。
 このほか、高齢化に伴う操作員の担い手不足を踏まえ、利用頻度が少ない施設について廃止などの検討を求めた。 

(ニュース提供元:時事通信社)