【ベルリン時事】東欧スロバキアのフィツォ新首相は26日、ロシアの侵攻を受けるウクライナへの武器供与を停止すると正式に表明した。AFP通信などが伝えた。人道支援や財政的な援助は継続する方針だ。北大西洋条約機構(NATO)と欧州連合(EU)に加盟するスロバキアはこれまで、旧ソ連製戦闘機「ミグ29」を率先して提供。小国ながらウクライナを強く支えてきた。
 フィツォ氏はEU首脳会議出席に先立ち、スロバキアの国民議会で外交方針を説明。この中で「もうウクライナに武器は送らない」と明言した。「EUは武器供給者から和平の仲裁者に変わるべきだ」とも主張。首脳会議で議題に上るとみられる対ロ追加制裁についても、自国への悪影響がないか精査するまで支持しない考えを示した。
 ロシア寄りの左派政党「スメル(道標)」を率いる同氏は、軍事支援の停止やウクライナ和平推進を訴えて9月の総選挙に勝利。今月25日に首相に就任した。対ロシアの結束に腐心するEU内で、「支援疲れ」のひずみが大きくなりかねないと警戒されている。 
〔写真説明〕東欧スロバキアの首相に就任したフィツォ氏=1日、ブラチスラバ(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)