先進7カ国(G7)貿易相会合出席のため来日したフランスのベシュト貿易担当相は、28日までに東京都内で時事通信などのインタビューに応じた。中国による電気自動車(EV)用電池などに欠かせない重要鉱物の輸出規制強化を「懸念している」と述べ、会合で議論されるとの見方を示した。また、中東情勢の緊迫化が及ぼす影響を注視すると語った。
 ベシュト氏は、規制強化を受けて「(中国への依存度を減らす)『デリスキング(リスク軽減)』をせざるを得なくなった」と説明。サプライチェーン(供給網)の強化へ、各国が重要鉱物を加工・精製できるよう「技術革新を進める必要がある」と訴えた。
 また会合では、紛争処理機能がまひしている世界貿易機関(WTO)の改革などについても議論されると話した。
 一方、イスラエルとパレスチナのイスラム組織ハマスの軍事衝突がエネルギー市場に与える影響は「現時点では非常に限定的だ」と指摘。ただ、紛争が他の産油国に広がれば混乱する恐れがあると語り、「イスラエルの自衛権を阻害することなく、早急に和平を実現することが重要だ」と述べた。
 会合は大阪府で28、29両日開かれる。 
〔写真説明〕インタビューに応じるフランスのベシュト貿易担当相=27日、東京都港区

(ニュース提供元:時事通信社)