【サンフランシスコ時事】日米韓など14カ国が参加する新経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」の閣僚会合は14日、2日間の日程を終え閉幕した。「クリーン経済」「公正な経済」の2分野は16日の首脳会合で実質妥結を表明する見通し。日米、オーストラリアは新興国の脱炭素化を後押しする約3000万ドル(約45億円)の基金創設で一致。支援を通じ新興国の取り込みを図る。
 前日の会合では、貿易分野で各国の隔たりが埋まらず、全体の妥結は先送りとなった。
 IPEFは「貿易」「サプライチェーン(供給網)」「クリーン経済」「公正な経済」の4分野で共通ルールを設ける枠組み。ただ、貿易には関税の削減・撤廃が含まれない。新興国にとっては先進国への大幅な輸出拡大は期待できず、利点は小さい。
 新興国の不満を踏まえ、クリーン経済分野で日米などは、基金を通じ新興国の脱炭素化を支援。日本は独自に行う新興国支援事業の中で、IPEF加盟国に資金を優先配分すると表明した。
 参加した西村康稔経済産業相は「国の事情に応じた多様な道筋で、二酸化炭素(CO2)排出量のネットゼロを目指すべきだ」と指摘。高水準な目標や厳格なルールを警戒をする新興国に配慮を見せた。 

(ニュース提供元:時事通信社)