【エルサレム時事】イスラエル軍は2日、パレスチナ自治区ガザの広い範囲でイスラム組織ハマスに対する空爆を続けた。AFP通信によると、ハマスは1日の戦闘再開後に240人が死亡し、650人以上が負傷したと主張。イスラエルの退避勧告に従い、北部での戦闘を逃れた人が多く避難している南部の都市も激しい攻撃にさらされ、犠牲者増加が懸念されている。
 イスラエルとハマスの仲介に当たったカタールや米国などは戦闘休止の再開を模索。しかし、イスラエル首相府は2日の声明で「ハマスは全ての女性と子供の解放を含む、合意の一部を履行しなかった」と非難した上で「話し合いの行き詰まりにより、交渉チームを(カタールの)ドーハから引き揚げるよう命じた」と発表した。
 中東の衛星テレビ局アルジャジーラは、ハンユニスやエジプトとの境界の町ラファなどガザ南部で攻撃が続いていると報道。「ガザに安全な場所はない」との現地記者のコメントを伝えた。北部でも爆発音や銃声が響いている。
 イスラエル軍は、戦闘再開後に400カ所以上の「テロリストの標的」を攻撃し、ハンユニスで戦闘機が「50カ所以上の目標に大規模攻撃を加えた」と発表した。ハマスも北部などで応戦し、駐留するイスラエル軍を奇襲して「兵士が死傷した」と主張。イスラエル南部にロケット弾を撃ち込んだ。
 戦闘再開でガザへの人道支援物資の搬入が止まっていたが、パレスチナ赤新月社は2日、トラック50台分の食料や水などの物資を受け取ったと明かした。ただ、世界保健機関(WHO)当局者はAFPなどに「医療サービスは崩壊寸前だ」と語った。 
〔写真説明〕2日、イスラエル南部スデロトから見た、煙が上がるパレスチナ自治区ガザの街並み
〔写真説明〕2日、イスラエル南部スデロトから見た、破壊されたパレスチナ自治区ガザの建物

(ニュース提供元:時事通信社)