【エルサレム時事】イスラエル軍は4日もパレスチナ自治区ガザの全域でイスラム組織ハマスへの攻撃を続けた。軍は3日、ハマスに対する地上作戦を継続、拡大していると表明。当初イスラエルの攻撃対象となった北部から多くの避難民が身を寄せた南部でも、地上侵攻を開始したことを認めた形だ。戦闘が激化すれば、さらなる一般市民の犠牲は避けられない。
 イスラエル軍は4日、ガザ地区で地上部隊の作戦を継続するとともに、ハマスに関連する目標約200カ所に空爆を加えたと発表した。
 AFP通信は4日、目撃者の話として、南部ハンユニス近くにイスラエル軍の戦車数十両が入ったと報じた。ブルドーザーなども確認されたという。また、南部の住民はロイター通信に、戦車の砲撃音が聞こえると証言。南部各地では空爆も相次ぎ、ラファでは3日、民家が爆撃を受け、7人が死亡した。
 ハマスは非難を強めている。ロイターによればレバノンを拠点に活動するハマスの幹部は「南部に安全地帯があるとする占領者(イスラエル)の主張は、非武装の民間人を虐殺するために前もって練られたわなだ」と憤った。
 イスラエルとハマスは7日間、戦闘を休止したが、延長交渉の決裂を受け1日に交戦を再開した。ガザの保健当局によれば、これまでに1万5800人以上が死亡した。戦闘休止中にハマスは105人の人質を解放したが、イスラエルは依然として130人以上が拘束されているとみている。
 AFPによると、3日にはガザから17発のロケット弾がイスラエル領内に発射されたが、ほとんどが迎撃された。イスラエル政府は3日、兵士2人が死亡したと発表。交戦再開後、犠牲者が出たのは初めてという。4日にも兵士3人の死亡が公表された。
 3日にハンユニスからラファへ移動すると説明した男性はロイターに「どこにも安全な場所がなく、どうすれば良いのか。夜通し空爆がある」と語った。 
〔写真説明〕3日、パレスチナ自治区ガザの南部ラファで、イスラエル軍の攻撃後に被害を確認する人々(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)