政府・与党は11日、半導体や電気自動車(EV)など重要物資の生産を拡大させるため、対象物資を生産する企業の法人税を10年間優遇する方針を固めた。控除限度額を超えた分は最大4年間、繰り越せるようにする。生産・販売量に応じて長期間の減税措置を設けることで、重要物資の国内生産投資を促進し、経済安全保障を強化する狙いがある。
 近く取りまとめる2024年度税制改正大綱に反映させる。税優遇の対象はこのほか、生産時の二酸化炭素(CO2)排出量を削減した鉄鋼材料「グリーンスチール」、植物や農産物などを原料とする化学製品「グリーンケミカル」、持続可能な航空燃料(SAF)。蓄電池に対する生産支援は直接ではなく、搭載したEVへの減税で対応する。
 対象物資ごとに、法人税の控除額を設定。例えば、EV、水素で走る燃料電池車(FCV)は1台で40万円、SAFは1リットルで30円の税優遇が受けられる。控除額については、8年目以降は段階的に縮小する方針。
 脱炭素化に貢献するEVなどの税優遇については、「GX(グリーントランスフォーメーション)経済移行債」の発行で調達した財源によって減税分を賄う。 

(ニュース提供元:時事通信社)