【ワシントン時事】世界銀行のコーゼ副チーフエコノミストは8日、時事通信のインタビューに応じた。中東の紅海周辺でイエメンの武装勢力フーシ派による相次ぐ商船攻撃で物流障害が起きていることについて、「世界経済にとって最も望ましくない問題だ」と懸念を示した。
 コーゼ氏はまた、最大震度7を観測した能登半島地震が日本経済に及ぼす影響の評価は「時期尚早」と指摘。打撃は「今のところ最小限にとどまりそうだ」としつつ、サプライチェーン(供給網)に障害が生じる可能性を含め、注視すると語った。
 パレスチナ情勢を巡っては、イスラエルとイスラム組織ハマスの激しい戦闘が続く。これを受け、フーシ派による商船攻撃が頻発し、海上輸送の要衝である紅海を避け、南アフリカの喜望峰へ迂回(うかい)する船が増えている。
 コーゼ氏は迂回で遠回りになる結果、中国と北欧間の航海時間が約4割延びると指摘。時間に加えて「コストが膨らむ影響は極めて大きい」と強調した。 

(ニュース提供元:時事通信社)