【エルサレム時事】イスラエル軍がイスラム組織ハマスと戦闘を続けるパレスチナ自治区ガザ情勢を巡り、パレスチナ自治政府のアッバス議長とヨルダンのアブドラ国王、エジプトのシシ大統領が10日、ヨルダン南部アカバで会談した。首脳は「ガザを再占領する(イスラエルの)いかなる試みも、全面的に拒否する」ことで合意。避難民となったガザ住民の帰還の必要性も確認した。
 エジプトは、ガザの避難民が対エジプト境界に近い南部に殺到する現状を憂慮している。エジプト政府の声明によれば、3首脳はパレスチナ人が故郷から追い出される事態を容認しない考えを示した上で、ガザでの即時停戦に向けて国際社会が「断固とした構え」を見せることが重要だと強調した。
 3者会談に先立ち、アッバス氏は中東歴訪中のブリンケン米国務長官と会談。アッバス氏は、ガザなどからのパレスチナ人の強制移住は「許さない」と訴えた。
 一方、エジプトやカタールが仲介するイスラエルとハマスの戦闘休止を巡る交渉にも、動きが出ているもようだ。交渉は先週、ハマス幹部サレハ・アルーリ氏がレバノンで、イスラエルによるとみられる攻撃で殺害された事件を受けて中断していたが、イスラエルの代表団が今週エジプト入りし、交渉が再開したという。 
〔写真説明〕10日、パレスチナ自治区ガザ南部ラファで、イスラエル軍の攻撃により住居を追われた避難民(ロイター時事)

(ニュース提供元:時事通信社)