【北京時事】中国全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の婁勤倹報道官は4日の記者会見で、全人代最終日の11日に李強首相の記者会見を行わないと明らかにした。例年、全人代閉幕後に首相が会見に臨んできたが、婁氏は「特殊な事情がなければ今後数年は行わない」と述べた。
 全人代は5日に開幕する。首相会見を見送る背景には、習近平国家主席の「一強」体制で首相の権限が縮小していることがある。低迷する経済に関して回答することを避ける狙いもありそうだ。
 全人代閉幕後の首相会見は、中国共産党のナンバー2が内外の記者の質問に直接答える事実上唯一の機会となってきた。会見の見送りで、習政権の閉鎖性が改めて印象付けられた。婁報道官は、初日に公表される政府活動報告や予算案で、社会の主な関心への回答が示されると主張した。 
〔写真説明〕2023年3月の中国全国人民代表大会(全人代)閉幕後、記者会見した李強首相=北京(EPA時事)
〔写真説明〕4日、北京で記者会見する中国全国人民代表大会(全人代)の婁勤倹報道官(EPA時事)

(ニュース提供元:時事通信社)