ロシアの首都モスクワ北西郊外のコンサート会場で22日夜、武装グループによる銃の乱射事件が起き、当局によると23日までに少なくとも133人の死亡が確認された。現地メディアは死者150人、負傷者200人以上と伝えている。ロシア当局はテロと断定。発生直後、過激派組織「イスラム国」(IS)がSNS上で犯行声明を出した。
 プーチン大統領は23日、国民向けに声明を出し、実行犯とウクライナのつながりを示唆した上で、関与した全員を処罰すると述べた。連邦保安局(FSB)も、武装グループが「ウクライナ側と接触していた」と主張したが、ウクライナ政府は否定している。
 事件現場から白色の車が走り去り、ベラルーシやウクライナとの国境に近い西部ブリャンスク州で23日に発見された。ボルトニコフFSB長官は、実行犯4人を含む11人を拘束したとプーチン氏に報告した。報道によると、実行犯は全部で6人で、うち4人は中央アジアのタジキスタン国籍という。
 現場は収容人数6000人以上の「クロッカス・シティー・ホール」。当時は人気ロックグループ「ピクニック」の公演開始直前だった。銃乱射に加え、2度の爆発とともに火災が発生。数十台の消防・救急車が急行したほか、治安部隊が派遣された。モスクワでは週末の大規模イベントが中止され、空港の警備が強化された。 
〔写真説明〕22日、ロシアの首都モスクワ郊外のコンサート会場で起きた銃乱射事件で、発砲する襲撃犯(ロイター時事)
〔写真説明〕23日、ロシアの首都モスクワ郊外にある銃乱射事件が起きたコンサート会場で活動する警察官ら(AFP時事)
〔写真説明〕23日、銃乱射事件を受け、モスクワで声明を発表するロシアのプーチン大統領(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)