乱射の舞台となったロシア・モスクワ郊外のコンサート会場は事件から一夜明けた23日、屋根などが焼け落ちた無残な姿をさらしていた。犠牲者の数は捜索が進むにつれて急増。死因について、当局は「銃撃と一酸化炭素中毒」と発表しており、いったんは隠れて難を逃れた人々がその後、煙に巻き込まれた可能性がある。
 「消防隊ががれきを撤去し、さらに多くの遺体が見つかった」(当局)。鎮火して内部に捜索の手が伸びると、未明まで60人だった犠牲者が倍増。トイレや避難階段で多数の遺体が見つかったと伝えられた。
 目撃者の撮影動画には、男らが建物入り口のガラス戸を破壊して警備員を殺害し、手慣れた様子で自動小銃を撃ちながらロビーから6000人収容のホールへ進む姿が映っている。「最初は花火だと思った」(目撃者)が、銃声が近づくと来場者の大半がパニックを起こし、ホールから逃げ出した。
 来場者の中には、襲撃犯に果敢に立ち向かう人もいた。61歳の女性がメディアに語ったところによると、若い男性が自動小銃を奪って抵抗を試みた。その間に「数十人が脱出できた」が、男性がその後どうなったかは分からないという。ホールはほぼ全焼した。 
〔写真説明〕23日、乱射事件から一夜明け、焼け落ちたモスクワ郊外のコンサート会場を捜索する救急隊員ら(ロシア当局提供)(AFP時事)
〔写真説明〕22日、モスクワ郊外のコンサート会場のロビーを移動する武装グループ(AFPTVの映像より)(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)