【ワシントン時事】米国と欧州連合(EU)は、先端技術を使っていない旧世代半導体のサプライチェーン(供給網)強化に向け、連携を強める。巨額の補助金を背景にした中国の過剰生産が市場をゆがめている恐れがあるとみており、同国製品への過度な依存を懸念。中国の補助金政策や企業の供給網に関する情報を共有し、共同での対応策も検討する。
 対中半導体規制はこれまで先端品や技術が中心だったが、旧世代品にも広げられる可能性がある。
 双方は4、5両日にベルギーで開かれた「米EU貿易・テクノロジー協議会(TTC)」の閣僚級会合で合意。声明では「同じ意見を持つ国々とのさらなる政府間協議を近く開催する」と説明し、他国の参加を促す方針を示した。
 レモンド米商務長官は会見で「中国は旧世代半導体へ極度に注力している」と指摘し、中国製品の急激なシェア上昇を警戒。EUのベステアー上級副委員長は、半導体供給網の強化に向けた「次のステップ」を検討していると話した。
 旧世代半導体は、自動車や家電、携帯電話、医療機器など幅広く使用され、中国製品への依存度が高いとみられている。米商務省は昨年末、旧世代品に関する米企業の供給網を調べ、安全保障上の課題などを分析すると発表。EUも同様の調査に乗り出している。 

(ニュース提供元:時事通信社)