【エルサレム時事】パレスチナ自治区ガザでのイスラム組織ハマスとイスラエルの戦闘休止に関し、仲介に当たる米国など関係国の協議が近くカイロで再開されるとの見通しが伝えられている。ハマスは7日に代表団をカイロに派遣する予定で、双方の間接的な交渉が始まるとみられる。昨年10月の戦闘開始から7日で半年を迎え、ガザの人道状況は悪化の一途をたどる。双方の立場には大きな隔たりがあり、休戦実現は見通せないままだ。
 ガザ保健当局の集計では6日までのガザの死者数は約3万3100人。国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、死者には約1万4500人の子供が含まれる。英BBC放送は、ガザの建物の少なくとも56%が損害を受けたと分析。ガザには人質のイスラエル人ら約130人も捕らえられたままだ。
 AFP通信などは5日、米政府当局者の話として、米国とイスラエル、エジプト、カタールの高官が参加する休戦協議が週末にカイロで実施されると報じた。バイデン米大統領は、エジプト、カタール両首脳に宛てた書簡で、合意に向けハマスに圧力をかけるよう求めたとされる。
 ハマスは6日、声明を出し、カイロに向けて7日に代表団を派遣すると明かした。ただ、恒久的停戦やイスラエル軍のガザ撤退を求める方針を示し、「譲歩しない」と強調した。
 国連のグテレス事務総長は5日の声明で、ガザで100万人以上が「壊滅的な飢えに直面している」と指摘した。イスラエルは、ガザ北部との境界にあるエレズ検問所などの開放を発表。国際NGO「ワールド・セントラル・キッチン(WCK)」職員がイスラエル軍の攻撃で死亡し、各国の批判を浴びる中、支援物資搬入拡大を表明したものの、実際に住民に支援が十分行き渡るかは不透明だ。 
〔写真説明〕5日、パレスチナ自治区ガザ南部ラファの破壊されたモスク(イスラム礼拝所)の脇で金曜礼拝に臨む人々(EPA時事)

(ニュース提供元:時事通信社)