政府は7日、サイバー攻撃を未然に防ぐ「能動的サイバー防御」の導入に関する有識者会議の初会合を首相官邸で開いた。岸田文雄首相は「サイバー対応能力の向上は急を要する課題だ。会議の成果を踏まえ、可能な限り早期に関連法案を取りまとめてほしい」と関係部局に指示した。早ければ今秋に見込まれる臨時国会への提出を目指す。
 会議を所管する河野太郎デジタル相は、論点として(1)官民の情報共有強化(2)攻撃元のサーバー検知の在り方(3)政府への権限付与―の三つを挙げ、「数カ月以内に成果を報告してほしい」と求めた。憲法との整合性も焦点になる見通しで、河野氏は「国民の権利利益の保護を図りながら、欧米の主要国と比べて遜色のない体制を実現しなければならない」と強調した。
 能動的サイバー防御は、平時から通信を監視し、攻撃の予兆を検知すれば、相手方のサーバーに侵入して無害化する措置。北朝鮮や中国などによるサイバー攻撃の脅威が高まり、政府は2022年改定の国家安全保障戦略に導入方針を明記した。 
〔写真説明〕「能動的サイバー防御」導入に関する有識者会議で発言する岸田文雄首相(右から2人目)=7日午前、首相官邸

(ニュース提供元:時事通信社)