出張中のホテルや車中で地震が起きたら
第2回:外出先で社員を守る

本田 茂樹
現在の三井住友海上火災保険株式会社に入社、その後、出向先であるMS&ADインターリスク総研株式会社での勤務を経て、現職。企業や組織を対象として、リスクマネジメントおよび危機管理に関するコンサルティング、執筆活動を続ける一方で、全国での講演活動も行っている。これまで、信州大学特任教授として教鞭をとるとともに、日本経済団体連合会・社会基盤強化委員会企画部会委員を務めてきた。
2024/10/10
これだけは社員に伝えておきたいリスク対策
本田 茂樹
現在の三井住友海上火災保険株式会社に入社、その後、出向先であるMS&ADインターリスク総研株式会社での勤務を経て、現職。企業や組織を対象として、リスクマネジメントおよび危機管理に関するコンサルティング、執筆活動を続ける一方で、全国での講演活動も行っている。これまで、信州大学特任教授として教鞭をとるとともに、日本経済団体連合会・社会基盤強化委員会企画部会委員を務めてきた。
企業のリスク担当責任者は、自社を取り巻くリスクに関する対策をさまざま講じていると思います。そのなかでも、地震、特に喫緊の課題である首都直下地震や南海トラフ巨大地震については、これらの対策だけで社員を守り切れるのだろうかと悩んでおられるのではないでしょうか。
地震対策としては、建物の耐震化を含めて、社員が自社の建物の中にいることが前提となっていますが、実は、社員がその建物内にいるとは限りません。社員が出張など外出中の場合でも、自分の身を守るためにはどのようなことをすればよいのか考えます。
ホテルの部屋で突然の地震の揺れに見舞われたとき、どのように対応するべきか確認します。
チェックインの後、ホテルの部屋に入り、そのあとは寝るだけという方も多いのではないでしょうか。でも、その前にやることがあります。それは、自分の部屋の位置、そして非常口や避難階段の場所をドアの内側で確認することです。
緊急時には、非常放送などの誘導指示に従い、非常口から避難階段を使って避難することになりますが、その際はエレベーターを使わないことも押さえておきましょう。
震度6強の揺れの場合、はわないと動くことができず、飛ばされることもあり得る状況となります。
オフィスの中にいれば、自分の机の下に入り、自分自身の安全を確保することになりますが、ホテルの場合も、備え付けの机の下に入ることが基本です。ただ、ホテルにある机は奥行きが狭く、その中にもぐり込むことが難しい場合は、備え付けの枕などで頭を保護し、低い姿勢を保ちます。
ホテルにある机、あるいはクローゼットなどはつくり付けのものが多いので、倒れる、あるいは動くことはなさそうですが、ベッドについては揺れにともない移動する可能性がありますので、注意しましょう。
深夜の揺れで目覚めたとき、薄明かりの中で、いつもと違うベッドで寝ていることに気づき、「ここはどこ?」ということになりかねません。ましてや、地震後に停電ともなると、そこで的確な動きがとれるでしょうか。
そんな時に必要になるのが、懐中電灯です。懐中電灯は多くの場合、机の下やクローゼットなどに置かれていますが、場所が分からない場合はフロントに尋ねるとよいでしょう。
また、電池切れの場合もありますので、確認しておきます。
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