2017/12/19
防災・危機管理ニュース
東京都は15日、「特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化促進に向けた検討委員会」の第5回会合を開催した。災害時に物資輸送で重要な緊急輸送道路沿道の建築物で、耐震性を満たさない建築物の耐震化への促進策をまとめた。耐震化への意思の有無といったステージや分譲マンションや賃貸建築物といった種別ごとに細かく対策を分けていく。
緊急輸送道路沿道の建物が耐震化していない状態で地震が起こった場合、道路側に建物が倒れると道路が閉塞し輸送に困難が生じる。都では主な促進策として(1)成功事例集の作成や情報提供(2)耐震化診断結果の公表(3)「段階的改修の促進に向けたガイドライン(仮称)」の作成・公表(4)「耐震コーディネーター(仮称)」の派遣(5)占有者に対して耐震化の協力を求めるよう所有者への働きかけ(6)占有者の移転支援―などをまとめた。
耐震性を満たさない建築物のうち、所有者に耐震化への理解や意思がないものは約1390棟。あり、内訳は分譲マンションが約430棟、賃貸建築物が約630棟、その他が約330棟。耐震化の成功事例を所有者に示すほか、耐震性を満たさない建物についてホームページなどを通じた公表を行う。
所有者に耐震化への意思や理解がある建築物は約800棟で、分譲マンションが約180棟、賃貸建築物が約410棟、その他が約210棟。Is値0.3未満など特に耐震性が低い建築物については、一度に改修のみでなく、負担軽減へ段階的に改修し耐震性を引き上げる方策も有効とし、参考となるようガイドライン(指針)策定を行う方針。分譲マンションについては区分所有者の合意形成や改修計画の立案や実行支援へコーディネーターを派遣する。
賃貸建築物については、賃借人やテナントといった占有者が利用継続を望み、改修や建て替えが進まないケースがある。所有者が占有者に理解を求めるよう、都からも所有者に働きかけるほか、転居費助成など占有者への移転支援や耐震化に対する占有者の責務規定も検討する。
この日の会合では「改修に重きが置かれているが、建て替えや除却、売却についても検討すべき」という見地から、建て替えの際の容積率上乗せが特に明記されなかったことについて委員から多くの意見が出た。特に分譲マンションでは容積率上乗せにより増える住戸の販売が見込めることから、デベロッパーなど民間企業が参画し建て替えがスムーズに行われるケースがある。都では総合設計許可制度に基づき容積率上乗せを認める場合もあるが、小規模な建て替えでは認められないケースが多いという。建て替えると現在の規模より小さくしないといけない既存不適格の物件もあることから、都では容積率について検討を進める。
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
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