2018/03/08
防災・危機管理ニュース
内閣府は火山災害指定地域の市町村向けに、避難計画策定のための標準的な対応や先進的な取り組み事例などを載せた記載事例集を2018年度に策定する。7日、「噴火等の避難計画の手引き作成委員会」の第8回会合を開催。事例集案について話し合われた。
火山災害指定地域の市町村は155。都道府県や市町村などによる火山防災協議会の意見聴取を経て、市町村が地域防災計画に避難など噴火時の対応を記載する必要がある。住民以外に登山者向けなどへの対策が必要なのは120市町村。
避難計画を「警報等の伝達等」「避難のための措置」「避難施設・避難場所」「避難路・避難経路」「避難訓練の実施」「救助」の6項目で見ると、登山者など向けの対策は120市町村のうち6項目全て定めているのが40、5項目が18、4項目が14、3項目が12、2項目と1項目がそれぞれ8で、何も定めていないのが20。6項目は前年の13から約3倍増。住民など向けは155市町村のうち6項目が75、5項目が29、4項目が16、3項目が7、2項目が8、1項目が3。全く定めていないのが17。6項目は前年の45から約1.6倍増。策定手順がわかりにくかったり、ノウハウが不足していたりなどもあり、なかなか策定が進まない現状があるという。
このため内閣府では、標準的な対応のほか、先進的な取り組み事例も記載した事例集を2018年度にとりまとめ公表する予定。この日の会合では委員から「先進的な事例ばかりでは、あまり策定が進んでいない市町村にはハードルが高い。事例のみでなく、具体的な役割やなすべきことなども紹介した方がいい」「登山客や観光客への考慮をしっかりすべき」といった意見が出された。
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2024/12/05
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/12/03
-
パリ2024のテロ対策期間中の計画を阻止した点では成功
2024年最大のイベントだったパリオリンピック。ロシアのウクライナ侵略や激化する中東情勢など、世界的に不安定な時期での開催だった。パリ大会のテロ対策は成功だったのか、危機管理が専門で日本大学危機管理学部教授である福田充氏とともにパリオリンピックを振り返った。
2024/11/29
-
-
-
なぜ製品・サービスの根幹に関わる不正が相次ぐのか?
企業不正が後を絶たない。特に自動車業界が目立つ。燃費や排ガス検査に関連する不正は、2016年以降だけでも三菱自動車とスズキ、SUBARU、日産、マツダで発覚。2023年のダイハツに続き、今年の6月からのトヨタ、マツダ、ホンダ、スズキの認証不正が明らかになった。なぜ、企業は不正を犯すのか。経営学が専門の立命館大学准教授の中原翔氏に聞いた。
2024/11/20
-
-
ランサム攻撃訓練の高度化でBCPを磨き上げる
大手生命保険会社の明治安田生命保険は、全社的サイバー訓練を強化・定期実施しています。ランサムウェア攻撃で引き起こされるシチュエーションを想定して課題を洗い出し、継続的な改善を行ってセキュリティー対策とBCPをブラッシュアップ。システムとネットワークが止まっても重要業務を継続できる態勢と仕組みの構築を目指します。
2024/11/17
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方