国連環境計画(UNEP)は21日、産業革命前と比べた世界の平均気温の上昇を可能な限り小さくするには、各国が温室効果ガス排出量の削減を大幅に拡大する必要があるとの報告書を公表した。現状のペースでは不十分で、このままでは最も楽観的な想定での1.8度を上回る見込みだと指摘した。
 温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」は、気温上昇を1.5度以内に抑える目標を掲げる。ただ、UNEPによると、一時的に1.5度を超えるのは避けられず、最も楽観的な想定でも今世紀半ばに1.8度に達する。
 報告書によると、ピークを1.8度に抑え、今世紀末までに1.5度以内に下げるには、2025年比で温室ガスを30年までに18%、35年までに45%削減する必要がある。ただ、各国の削減目標に基づく対策では、30年までに5~8%減、35年までに11~15%減にとどまる。
 このため、再生可能エネルギーの発電容量を3倍に増やすほか、石炭火力発電を35年までに25年比で75%減らし、40年までに事実上廃止することなどを求めた。UNEPのアンダーセン事務局長は「今こそ迅速かつ大幅で持続的な排出削減が必要だ」と強調した。 
〔写真説明〕国連環境計画(UNEP)のロゴマーク(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)