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前回のコラムまで、1990年8月2日のイラクのクウェート侵攻開始から終結までの危機管理及び戦争終結後の安定した供給サプライチェーンの観点からの出光興産㈱のレジリエンス対応事例を見てきました。

今の世界は先の見えない、VUCAの時代です。少なくとも今後数年間は、安全保障、民主主義と権威主義との相克、政治・経済のブロック化、極端な政党の影響、経済安全保障など、さまざまな要因から、残念なことに今まで見てきたような紛争などに巻き込まれる可能性は非常に高まると思います。

今後そのような事態に備えて企業経営を成功裏に行うためには、危機からの復元力、すなわち持続・成長を支える「レジリエンス・マネジメント」の考えが重要となります。今回から「レジリエンス・マネジメント」の考えを述べていきたいと思います。

Ⅰ.レジリエンスとは

1.定義

Resilienceは、以前も述べましたが、もともとはラテン語のResilireからきており、「Re再びsilire跳ね返る」の意味です。これが、経営的な言葉に転用され、「逆境に陥っても、ビジョンを持ち続け、世のため、人のため貢献しつつ、経済的・心理的に復元し、持続的に成長力に結び付ける力。」という意味で定義されています。