~気候変動適応策 国交省 中間とりまとめを公表

国土交通省は2月27日、水災害分野における気候変動適応策の中で、洪水や高潮などの水害、土砂災害、渇水といった「水災害分野」について中間とりまとめを公表した。2013年9月のIPCC(気候変動に関する政府間パネル)第5次評価報告書の公表以降、災害、食料、健康などさまざまな分野で適応策の検討が進んでいるが、他省庁に先駆けて、いち早く適応策の具体化に踏み出す。気候変動に関する具体的な計画を打ち出すのは国内で初めて。

昨年8月の広島市の大規模土砂災害を始め、近年の水災害は激甚化の傾向にある。

国交省は、気候変動によって想定し得る最大規模の外力「想定最大外力」を新たに設定。施設だけでは守りきれない事態を想定しつつ、社会全体で危機管理対策に取り組む。現況の安全度に基づく施設整備を推進する一方で、施設の能力を上回る外力に対しても、浸水想定など災害リスクの評価をベースにウィークポイントを抽出。土地利用のあり方を含めて優先的な投資を打ち出すなどできる限りの被害軽減を図る。

外力増大に設計段階から工夫
当初の設計段階で「幅を持った外力」を想定。老朽化対策など施設の更新に合わせて、将来的な施設の改造に対応できる構造形式を選定し、増大する外力に順応した取り組みを進めていく。

ダム再生で洪水調節機能を増強
「貯水容量の拡大」「放流能力の拡大」など、ダム再生による機能強化で、洪水調整機能を増強していく。

災害のリスクを踏まえ土地利用
土地利用や企業の事業継続を踏まえてリスクを分かりやすく提示。コンパクトシティー等と連動した土地利用の転換に踏み出す。

来夏に予定されている政府全体の適応計画の策定に合わせて、今夏にも最終とりまとめ(答申)を行う見通し。今回の中間とりまとめで盛り込んだ適応策の進め方や目標時期を今後5年間程度のロードマップに落とし込み、実施可能なものから直ちに取り組む考えだ。