東北自動車道で16日夜、停車中のバスにトラックが追突し、4人が死傷する事故があった。バスは走行中に故障し、点検していた運転手らが犠牲になった。日本自動車連盟(JAF)は、高速道路で停車する際は発炎筒などを使用して後続車に知らせるよう呼び掛けている。
 宮城県警高速隊によると、事故は16日午後8時10分ごろ、同県栗原市の東北自動車道下り線で発生。エンジントラブルで停車中のバスに、後方から大型トラックが追突し、バス運転手と乗客2人が死亡、トラックの運転手が頭に重傷を負った。亡くなった3人は、バス後方で車両点検中にはねられた。
 事故前に現場付近を通過した路線バスの運行会社によると、事故発生約15分前のドライブレコーダーには、走行車線の中央付近にハザードランプを点滅させて停車したバスが映っていたが、後続車に危険を知らせる発炎筒や三角表示板は確認できなかったという。
 高速道路で車両故障が発生した際の安全な停止手順として、JAFは(1)ハザードランプを点灯し、ゆっくりと路肩に寄せて停車(2)ガードレールの外側などを歩行して故障車両から約50メートル後方の路上に三角表示板を設置(3)三角表示板のさらに後方に発炎筒を置き、道路管理者や警察に連絡―を挙げる。
 JAF宮城支部広報担当の佐藤陽さんは「夜間だと距離感も感じづらい。三角表示板を置く際には後続車に注意し、いつでも逃げられる状態で設置してほしい」と話す。発炎筒などを備えていない場合は「すぐに110番などに通報し、夜間であれば車内灯をつけ、安全な場所からスマートフォンのライトを振って後続車に伝えることが大事だ」と指摘した。 

(ニュース提供元:時事通信社)