来年度の新型コロナウイルスワクチンの予防接種法上の位置付けについて、厚生労働省は9日、専門部会を開いて議論を始めた。公費で無料となる「臨時接種」は今年度末まで延長されているが、自己負担が生じる可能性がある「定期接種」に切り替えた際の課題や接種対象者などに関して検討する方針を確認した。
 今年度のワクチン接種は、重症化リスクの高い65歳以上の高齢者や基礎疾患を持つ人らを対象に5月8日から始まった。高齢者らは年2回打つことができ、全世代を対象にした追加接種は、9月20日から始まる見込みだ。
 定期接種は、集団の感染予防に重点を置き努力義務がある「A類疾病」(日本脳炎など)と、個人の予防を重視し努力義務のない「B類疾病」(季節性インフルエンザなど)に分けられる。A類は公的負担がB類より多く、自治体によっては無料接種も可能だ。部会では「費用対効果も考慮して接種戦略を考えてほしい」といった意見が出た。
 また、予防接種法に基づき接種を促す「努力義務」や「接種勧奨」についても議論。高齢者など重症化リスクの高い人に限定して適用する方針を了承した。 

(ニュース提供元:時事通信社)