浸水想定区域内にあるポンプ場などの農業水利施設について会計検査院が調査したところ、9割近くで非常用発電設備の浸水対策が実施されていなかったことが25日、分かった。洪水などで電源が損傷する恐れがあり、検査院は農林水産省に改善を求めた。
 検査院が地方農政局や17道府県が整備した856カ所を調べたところ、浸水想定区域にあり、想定される浸水の高さより電源が低い位置にあるのは434カ所だった。このうち、止水板を設置するなどの対策を取っていたのは53カ所にとどまり、残りの381カ所では対策が取られていなかった。
 検査院は農業用ダム172カ所に設置された非常用発電設備の運転可能時間についても調査した。その結果、152カ所で一般に採用されていることが多い72時間を下回っていた。うち144カ所は、燃料タンクが停電時、ダムを稼働し続けるための容量を確保できているか不明だった。
 農水省は、浸水対策について「施設の重要度に応じて検討する」とコメントした。 

(ニュース提供元:時事通信社)