特定の条件下でシステムだけで運転を可能とする「レベル4」の自動運転が認可された福井県永平寺町で10月、自動運転車両が自転車と接触する初の事故があり、同町は11日までに、車両のカメラが自転車を認識できなかったとする調査報告書を公表した。自転車の画像の追加学習などで認識性能を高め、再発防止を進める。
 事故は10月29日に発生。町内のルートを時速約4キロで走行していた車両の前方部分が、止めてあった自転車のペダルと接触した。車両は衝突を検知して緊急停止し、乗っていた4人にけがはなかった。
 報告書によると、車両はセンサーとカメラで障害物を検知しているが、カメラが自転車の真後ろしか捉えておらず、認識できなかったという。
 センサーは自転車を検知していたが、現場付近は自動運転車両がすれ違うため、カメラによる検知を優先していた。
 レベル4の自動運転は同町の第三セクターが国内で初めて認可を受け、5月に営業運行を始めていた。町は事故を受けて運行を中止しているが、来年2月末までの冬季運休期間後、早期の再開を目指すとしている。 
〔写真説明〕自動運転「レベル4」の車両=5月21日、福井県永平寺町
〔写真説明〕自動運転「レベル4」の車両が自転車と接触した事故の再現の様子(福井県永平寺町提供)

(ニュース提供元:時事通信社)