2023/12/30
防災・危機管理ニュース
クーデターで国軍が実権を握ったミャンマーでは、「仕事がない」として若者らが国外に出て働く動きが活発化している。就職先として日本の人気は高く、今年の日本語能力試験への応募者は前年の約3倍の延べ約20万人に急増した。
3日午後、最大都市ヤンゴンのヤンゴン大学前は、試験を終えた受験生や出迎える家族らで混み合っていた。男性のトゥンパタさん(26)は、3年前に自動車整備の学校を卒業したが、新型コロナウイルスや2021年のクーデターの影響で仕事がなかった。「車が好きなので日本に行って働きたい」と語った。
試験を主催する国際交流基金によると、応募者は約10万人。7月の試験も約10万人で、年間の応募者は延べ約6万5000人だった22年から大幅に増えた。日本国外で実施される日本語能力試験としては、中国の延べ約32万8000人に次いで2番目の多さとなる。
同基金の担当者は「日本への就労や留学の希望者急増が背景にある。新型コロナの収束も要因の一つ」と分析する。会場の都合などで応募者は制限されており、受験希望者はさらに多かったとみられる。
ミャンマーではクーデター後の雇用情勢の悪化で、隣国タイや韓国などで働く人も多い。ヤンゴンにある人材紹介会社「ジェイサット」の西垣充代表は「国内では将来の希望を見いだせず、大学に通う年代でも海外に出られる若者は出ようとしている。待遇や治安が比較的良い日本の人気は高い」と指摘した。
一方、在日ミャンマー大使館は21日、日本にいる労働者から月1000~2000円の所得税を徴収すると通知。タイなどでも同様の発表があり、国軍側は財源の獲得手段として在外労働者を利用し始めた。
〔写真説明〕ミャンマー最大都市ヤンゴンで日本語能力試験を終えて会場から出る受験生ら=3日
(ニュース提供元:時事通信社)
- keyword
- ミャンマー
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年4月23日配信アーカイブ】
【4月23日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:南海トラフ地震臨時情報を想定した訓練手法
2024/04/23
-
-
-
2023年防災・BCP・リスクマネジメント事例集【永久保存版】
リスク対策.comは、PDF媒体「月刊BCPリーダーズ」2023年1月号~12月号に掲載した企業事例記事を抜粋し、テーマ別にまとめました。合計16社の取り組みを読むことができます。さまざまな業種・規模の企業事例は、防災・BCP、リスクマネジメントの実践イメージをつかむうえで有効。自社の学びや振り返り、改善にお役立てください。
2024/04/22
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年4月16日配信アーカイブ】
【4月16日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:熊本地震におけるBCP
2024/04/16
-
調達先の分散化で製造停止を回避
2018年の西日本豪雨で甚大な被害を受けた岡山県倉敷市真備町。オフィス家具を製造するホリグチは真備町内でも高台に立地するため、工場と事務所は無事だった。しかし通信と物流がストップ。事業を続けるため工夫を重ねた。その後、被災経験から保険を見直し、調達先も分散化。おかげで2023年5月には調達先で事故が起き仕入れがストップするも、代替先からの仕入れで解決した。
2024/04/16
-
工場が吹き飛ぶ爆発被害からの再起動
2018年の西日本豪雨で隣接するアルミ工場が爆発し、施設の一部が吹き飛ぶなど壊滅的な被害を受けた川上鉄工所。新たな設備の調達に苦労するも、8カ月後に工場の再稼働を果たす。その後、BCPの策定に取り組んだ。事業継続で最大の障害は金属の加温設備。浸水したら工場はストップする。同社は対策に動き出している。
2024/04/15
-
動きやすい対策本部のディテールを随所に
1971年にから、、50年以上にわたり首都圏の流通を支えてきた東京流通センター。物流の要としての機能だけではなく、オフィスビルやイベントホールも備える。2017年、2023年には免震装置を導入した最新の物流ビルを竣工。同社は防災対策だけではなく、BCMにも力を入れている。
2024/04/12
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方