6434人が亡くなった阪神大震災は17日、発生から29年を迎えた。兵庫県内では大震災を経験していない世代が増え、風化の懸念も高まる一方、元日の能登半島地震など国内外で自然災害は頻発。震災の記憶や教訓を世代や地域を超えて伝える誓いを新たにした阪神大震災の遺族らは、能登地震の犠牲者らの冥福を祈るとともに、厳しい状況が続く現地の早期復旧を願った。
 神戸市中央区の公園「東遊園地」では、NPO法人などが未明から追悼の集いを開催。能登半島地震の被災地と「共に助け合おう」という思いと、世代を超えて阪神大震災を語り継ぐとの意志を込め、「1995 ともに 1.17」の形に灯籠を並べて火をともした。訪れた人たちは阪神大震災発生時刻の午前5時46分、能登半島地震発生時刻の午後4時10分に合わせて黙とう。東遊園地には午後9時までに約5万人が訪れた。
 神戸市の追悼式には、震災で母親=当時(44)=を亡くした鈴木佑一さん(34)が遺族代表として出席。震災後、家族と別れて児童養護施設で育った鈴木さんは「周りに支えてくれる人たちがいる。その人たちに感謝をして、何か少しでも恩返しをしていく」と述べた。
 兵庫県なども、正午前から「人と防災未来センター」(中央区)で式典を開催。斎藤元彦知事は能登半島地震に触れ、「災害はいつどこで起こるか分からない。安全で安心な社会づくりに向け、不断の取り組みが求められる」とあいさつした。
 市立渚中3年の大塚愛結さん(15)は「災害を知らない私たち世代にも、できることはたくさんあるはず。実際に起きた時に助け合う社会を実現させていかなくてはならないと思う」とのメッセージを読み上げた。 
〔写真説明〕阪神大震災の犠牲者を追悼する会場に置かれた紙灯籠。「能登」「石川県へ想いを届ける」などと書かれていた=17日午後、神戸市中央区
〔写真説明〕阪神大震災から29年を迎え、灯籠でかたどられた「1995 ともに 1・17」の文字=17日午前、神戸市中央区
〔写真説明〕阪神大震災から29年を迎え、地震発生時刻の午前5時46分に合わせて黙とうする人たち=17日、神戸市中央区
〔写真説明〕能登半島地震が発生した午後4時10分に合わせて黙とうをささげる人たち=17日、神戸市中央区

(ニュース提供元:時事通信社)