【ニューヨーク時事】米電気自動車(EV)大手テスラへの逆風が強まっている。世界的なEV需要減速で1~3月期の販売台数が約4年ぶりに前年実績を下回った矢先に、成長回復のカギを握るとみられてきた新モデルの開発中止が報じられた。中国の競合メーカー台頭や、米政策金利の高止まりも重荷となっており、「悪材料しかない」(金融関係者)状態だ。
 1~3月期の世界販売台数は伸びの大幅鈍化が事前に予想されていた。しかし、今週発表された数字では前年同期比9%減の38万6810台と、マイナスまで落ち込んでいたことが判明。これにはテスラを高評価していることで知られる米投資家も「大災害だ」と驚きを隠せなかった。
 一方、ロイター通信は5日、テスラが現行車種より安い新モデルの開発を中止したと伝えた。マスク最高経営責任者(CEO)は1月、次世代の低価格車を通じて今後の成長をてこ入れする構想を語っており、開発中止は痛手となりそうだ。新モデルの詳細は不明だが、米メディアに「モデル2」と呼ばれ、価格は2万5000ドル(約380万円)程度になると予想されていた。
 マスクCEOは報道について、X(旧ツイッター)で「ロイターはうそをついている」と反応した。具体的な説明は行っていない。 
〔写真説明〕テスラ最高経営責任者(CEO)のイーロン・マスク氏=2月3日、米ロサンゼルス(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)