先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議は12日、新潟市で2日目の討議を行った。脱炭素化の実現に不可欠な車載用電池など重要物資のサプライチェーン(供給網)強化を巡り、インドやブラジルなどを交えた特別会合も開催。世界銀行や同志国と連携し、資金供給や技術協力を通じて低・中所得国を支援する基金など、新たな枠組みの年内設立に向けて意見を交わした。経済的に影響力を強める中国を念頭に、途上国を巻き込んだ経済安全保障の確立を目指す。
 米欧でくすぶる金融不安に関しては、米国でSNSを通じて信用不安が広がったことなどを踏まえ、金融システム強化に向けた議論が急務だとの認識を共有した。
 最終日の13日に採択する共同声明に、脱炭素関連製品の供給網強化を目的とした枠組みの創設を盛り込む方向で調整している。製造に必要な鉱物の加工や組み立ての工程が中国に集中しており、代わりに低・中所得国が採掘から製造までを担えるようにすることで、円滑な供給を確保する。鈴木俊一財務相は「低・中所得国が(世界的な供給網の中で)より大きな役割を果たせるよう協力したい」と説明した。 
〔写真説明〕先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議の記念撮影で手を振る鈴木俊一財務相(前列中央右)、日銀の植田和男総裁(同左)ら=12日午後、新潟市

(ニュース提供元:時事通信社)