東・西日本は2日、梅雨前線に台風2号からの暖かく湿った空気が流れ込んで活動が活発となり、太平洋側を中心に大雨となった。気象庁は「顕著な大雨に関する気象情報」を相次いで発表。午前は高知県西部、午後は和歌山県北部や奈良県南部、三重県南部、愛知県東部、静岡県中部・西部で発達した雨雲が連なる「線状降水帯」が発生したとして、土砂災害や低地の浸水、河川の氾濫に警戒するよう呼び掛けた。
 和歌山県では海南市や広川町などに警戒レベルが最も高い5の「緊急安全確保」が発令された。消防などによると、県北部を流れる真国川では、紀の川市で70代男性、紀美野町で成人女性が流されたとの通報があり、県警などが捜索している。静岡県磐田市や愛知県豊橋市でも緊急安全確保が発令され、各地で避難指示が出された。2日夜には茨城から徳島にかけての多くの府県の一部に土砂災害警戒情報が発表された。
 線状降水帯は近畿と四国は2日夜まで、東海は3日午前まで、関東甲信では2日夜から3日午前にかけて発生する可能性がある。
 高知県土佐清水市(三崎観測点)では2日午前8時50分すぎまでの1時間に93ミリ、和歌山県湯浅町では午後0時20分すぎまでの1時間に83.5ミリの猛烈な雨が降った。午後8時までの24時間雨量は三重県鳥羽市で415ミリ、静岡県藤枝市で414.5ミリに上った。風も吹き荒れ、横浜市では午後4時40分ごろに最大瞬間風速30.6メートルを観測した。
 3日午後6時までの24時間予想雨量は多い所で、東海250ミリ、関東甲信200ミリ、伊豆諸島と四国150ミリ、近畿100ミリ。 
〔写真説明〕雨の中、傘を差して歩く人たち=2日午後、東京都中央区
〔写真説明〕雨が降る中、JR大阪駅前を行き交う人たち=2日午後、大阪市北区

(ニュース提供元:時事通信社)