【ロンドン時事】国連の専門機関である世界気象機関(WMO)のターラス事務局長は17日、地球各地で異常気象が観測されているのを受け、「温室効果ガスの排出をできる限り迅速、大幅に削減する緊急性が高まっている」と訴えた。夏季を迎えた北半球を中心に広い地域で高温記録を更新する一方、大雨による甚大な被害が発生している。
 ターラス氏は「異常気象は、人間の健康や生態系、経済、農業などに大きな影響を与えている」と指摘。その上で「『ニューノーマル』になりつつある事態に社会が対応できるよう、取り組みを強化する必要がある」と強調した。
 欧米には熱波が襲来し、各地で40度を超える猛烈な暑さを記録。カナダでは大規模な山火事が発生している。一方、日本や韓国、中国、インドなどアジア各地は、豪雨や洪水に見舞われている。WMOの専門家は「温暖化が進むにつれて、降雨現象はより激しく頻繁になり、より深刻な洪水につながるだろう」と警告した。 

(ニュース提供元:時事通信社)