大型で非常に強い台風6号は2日夜、沖縄本島と先島諸島の間を西へ進んだ。4日にかけて先島諸島の北方海域にとどまる見込み。沖縄は暴風域に入っている時間が長く、猛烈な風やしけとなっており、那覇市など多くの市町村で避難指示が続いた。気象庁は暴風や高波、高潮、大雨に厳重に警戒するよう呼び掛けた。
 沖縄県警によると、同県大宜味村で1日午後10時15分ごろ、民家の車庫が倒壊し、下敷きになった住人の崎山喜弘さん(90)が死亡した。県警は強風で車庫が倒壊した可能性もあるとみて、詳しい原因を調べている。県の2日午後11時すぎのまとめでは、県内で36人が重軽傷を負った。
 沖縄電力によると、県内総戸数の3分の1に当たる約21万戸が一時停電した。那覇空港を発着する国内、国際線は全便が欠航。沖縄都市モノレールや路線バスは運休し、沖縄自動車道などは通行止めとなった。
 那覇市の沖縄気象台では2日午前4時15分ごろに最大瞬間風速52.5メートルを観測。国頭村では午前7時55分ごろまでの1時間に49ミリの激しい雨が降り、同市の那覇航空測候所では午後8時半までの24時間雨量が302ミリに上った。6号は太平洋高気圧の後退を受け、4日から逆戻りするように東北東へ進路を転じ、7日には九州南方海上に進むと予想される。沖縄・奄美では影響が長引く恐れがある。
 6号は2日午後11時、沖縄本島西方にある久米島から西150キロの海上をゆっくりと西へ進んだ。中心気圧は935ヘクトパスカル、最大風速45メートル、最大瞬間風速65メートル。半径220キロ以内が風速25メートル以上の暴風域、北東側600キロ以内と南西側500キロ以内が風速15メートル以上の強風域。
 3日に予想される最大瞬間風速は沖縄45メートル、奄美30メートル。波の高さは沖縄11メートル、奄美6メートル。4日午前0時までの24時間予想雨量は多い所で、沖縄200ミリ、奄美100ミリ。その後、5日午前0時までの同雨量は、沖縄100~150ミリ、奄美50~100ミリ。6日午前0時までの同雨量は、沖縄と奄美で100~150ミリ。 
〔写真説明〕根元から倒れた公園の木=2日午前、那覇市
〔写真説明〕台風6号による強風で、看板などが散乱する国際通り=2日午前、那覇市
〔写真説明〕台風6号の接近で風雨が強まり、人影がまばらになった国際通り=2日午後、那覇市

(ニュース提供元:時事通信社)