台風6号は7日夜、鹿児島県・奄美大島の東海上を北上した。気象庁によると、9日から10日にかけて九州西方沖を北上する見込み。奄美と九州南部は大雨や暴風、高波に厳重な警戒が必要。8日夜にかけては、発達した雨雲が連なる線状降水帯が発生する可能性がある。四国や近畿、東海も大雨による土砂災害や低地の浸水、河川の氾濫に警戒が必要という。
 記者会見した同庁の立原秀一主任予報官は「台風の暴風域が広く、中心より外側に発達した雨雲があるほか、動きが遅いため、影響が長引く」と説明。「総雨量が平年の8月雨量を大きく超える恐れがある」として、早めに備えるよう呼び掛けた。
 国土交通省の尾松智・河川保全企画室長は「九州の河川では6月末からの大雨で損傷した堤防や護岸が完全には復旧していなかったり、土砂が堆積したりして、氾濫の可能性が高まっている恐れがある」と指摘した。
 夏休みで移動する人が多い時期だが、交通の乱れが予想され、立原主任予報官は「(予定の変更を)柔軟に判断してほしい」と話した。
 6号は7日午後9時、奄美市の東170キロの海上をゆっくりと北へ進んだ。中心気圧は970ヘクトパスカル、最大風速30メートル、最大瞬間風速40メートル。半径200キロ以内が風速25メートル以上の暴風域、半径390キロ以内が風速15メートル以上の強風域。
 8日に予想される最大瞬間風速は、奄美と九州南部45メートル、四国と九州北部30メートル。波の高さは九州南部9メートル、奄美8メートル、沖縄と九州北部、四国6メートル。
 8日午後6時までの24時間予想雨量は多い所で、奄美と九州南部300ミリ、四国と東海250ミリ、九州北部200ミリ、近畿180ミリ。その後、9日午後6時までの同雨量は、九州南部300~500ミリ、四国300~400ミリ、奄美と九州北部、近畿、東海200~300ミリ。10日午後6時までの同雨量は、四国300~400ミリ、九州北部・南部と近畿、東海200~300ミリ、中国100~150ミリ。 
〔写真説明〕台風6号について記者会見する気象庁の立原秀一主任予報官(左)ら=7日午後、東京都港区の気象庁

(ニュース提供元:時事通信社)