一戸建ての家屋火災で人命検索目的で外部から侵入する際、玄関が開いていれば一番簡単なのですが、ほとんどの場合は玄関は施錠された状態が多いため、外壁部から2連梯子などを使って進入すると思います。

今まで、具体的にどのようにして火災対象物に進入するべきかという一例を表した消防戦術のビデオが日本にはなかったように思いましたので、今回ご紹介いたします。
    
もちろん火災対象物や環境条件はすべて異なるため、現場では水平思考して応用する必要がありますが、火災防御戦術のコンセプトをわかりやすく映像にすることで、現場経験の少ない消防士への映像シミュレーションワークショップに生かせると思います。

FIRECRAFT PRODIUCTIONS (出典:Youtube)

次のビデオをご覧下さい。


VES (short version) Bryan Martin (出典:YouTube)

まず現場出動時には空気呼吸器を着装し、「バルブを開放して残圧の確認」「携帯無線器のチャンネル確認」「黒煙の上がる方向や風向きを確認」「現着前から水利の確認や車両停車位置の判断」「車両マイクによる野次馬の排除」などを行います。

現場到着後は、関係者の接触による逃げ遅れ者の確認はもちろん、火災対象物の周囲の状況を見て、延焼の可能性のある箇所や周囲の住民避難などを行います。

このときに大切なのは、隊員がどこから排煙し、進入し、人命を検索しながら消火および延焼阻止を行うかを決めることです。通常、火災防御経験豊富な隊員は自動的に体が動きますので、スムーズに余裕ホースを含めた放水準備を開始し、2連ばしごの車両からの脱着や鳶口などの破壊器具を装備し、活動を開始します。

FIRECRAFT PRODIUCTIONS (出典:Youtube)