兵庫県宝塚市の介護老人保健施設で勤務していた60代女性が新型コロナウイルス感染者への対応が原因でうつ病を発症し、西宮労働基準監督署(同県西宮市)が労災と認定していたことが18日、女性の代理人弁護士への取材で分かった。
 弁護士によると、女性は2017年に事務職として採用された。しかし、21年4月に施設内で新型コロナのクラスター(感染者集団)が発生して入所者36人と職員17人が感染。人手不足のため、女性は感染した入所者の介護業務を指示された。
 女性は、防護服を着用して入所者のおむつの交換や食事の配膳をしたほか、死亡した入所者の遺体を運ぶ作業もしたという。亡くなった入所者は、感染防止のため透明の袋で包まれており、故人の顔が見える状態での作業を余儀なくされた。
 女性は21年5月、本来の事務職に戻ったが、遺体の光景がフラッシュバックするなどして食欲不振や不眠、頭痛の症状が出るようになった。翌月には抑うつ状態と診断され、現在も休職している。 

(ニュース提供元:時事通信社)