政府は21日、東京電力福島第1原発から生じる処理水について、早ければ24日に海洋放出を開始する方針を固めた。22日に関係閣僚会議を開催して決定する。複数の関係者が明らかにした。岸田文雄首相は21日、全国漁業協同組合連合会(全漁連)の坂本雅信会長らと首相官邸で会談し、風評被害などの対策に「国が全責任を持つ」と伝えた。
 首相は記者団に、22日の会議で「放出の具体的な日程を決定する」と明言。会談の出席者から「『理解は進んでいる』との声を頂いた」と強調した。会談に同席した西村康稔経済産業相は記者会見で、「関係者の一定の理解を得た」との認識を示した。
 会談で首相は「廃炉と処理水排出の完遂まで漁業者のなりわいが継続できるよう、国が全責任を持って必要な対策を講じ続けることを約束する」と表明。坂本氏は「反対であることはいささかも変わらない」としつつ、「科学的安全性への理解は深まってきた」と語った。 
〔写真説明〕記者団の取材に応じる岸田文雄首相=21日午後、首相官邸
〔写真説明〕全国漁業協同組合連合会(全漁連)の坂本雅信会長(右から2人目)らと会談する岸田文雄首相(左から2人目)。左端は西村康稔経済産業相=21日午後、首相官邸
〔写真説明〕東京電力福島第1原発の敷地内に並んだ処理水を保管するタンク=2021年2月、福島県(時事通信チャーター機より)

(ニュース提供元:時事通信社)