パキスタンで29日、爆弾テロが相次ぎ、当局によれば、少なくとも計57人が死亡、60人以上が負傷した。地元紙ドーン(電子版)などが報じた。いずれの事件でも犯行声明は出ていない。
 南西部バルチスタン州では、自爆テロ犯が警察幹部の車の近くで爆発物をさく裂させた。付近のモスク(イスラム礼拝所)には、イスラム教の預言者ムハンマドの生誕日を祝う行進に参加するために信者らが集まっており、少なくとも52人が死亡、50人以上が負傷した。
 AFP通信によると、内務省は声明で「罪のない人々に対する攻撃で、非常に凶悪だ」と非難。パキスタンではイスラム武装勢力「パキスタン・タリバン運動(TTP)」が昨年11月、政府との停戦を破棄して以降、テロが増加しているが、TTPはこの事件への関与を否定した。
 北西部カイバル・パクトゥンクワ州では警察署の入り口で爆発が起きた数分後、署の敷地内にあるモスクで2度目の爆発があった。礼拝中だった5人が死亡、10人以上が負傷したほか、30~40人が崩落したモスクの屋根の下敷きになった。 
〔写真説明〕29日、パキスタン南西部バルチスタン州で、自爆テロ後、病院に集まる人々(ロイター時事)

(ニュース提供元:時事通信社)