【北京時事】中国主導の巨大経済圏構想「一帯一路」国際協力サミットフォーラムが17日、北京で2日間の日程で開幕した。習近平国家主席の肝煎りの一帯一路は今年で提唱から10年。習氏は、フォーラムに合わせて訪中した新興・途上国の首脳らと矢継ぎ早に会談し、連携をアピール。中でも、反米で足並みをそろえるロシアのプーチン大統領と結束を確認する見通しだ。
 フォーラム開幕に先立ち、プーチン氏が17日、北京入りすると、中国国営中央テレビは「友、遠方より来たる」と速報し、歓迎ムードを強調した。プーチン氏にとって、今回の訪中は今年3月、ウクライナ侵攻に絡んで国際刑事裁判所(ICC)から逮捕状が出て以来、旧ソ連圏以外では初の外遊となった。
 プーチン氏は、米国をはじめとする西側諸国と対立を深めており、中国との友好関係は命綱だ。18日に予定されている習氏との会談では、ウクライナ情勢だけでなく、パレスチナ自治区ガザのイスラム組織ハマスとイスラエルの衝突についても協議するとみられる。
 一帯一路の協定覚書には、中東諸国の大部分が署名している。中国政府は、今回のフォーラム出席者のリストを明らかにしていないが、アラブ首長国連邦(UAE)やエジプトから首相らが北京入りしている。中国は中東で「和平の仲介役」を目指しており、習氏が18日に行う基調演説などでパレスチナ問題についてどのような方針を打ち出すのか注目される。 

(ニュース提供元:時事通信社)