【ロンドン時事】英国防省は19日のウクライナ戦況報告で、ロシア占領下にあるウクライナ南部クリミア半島とロシア本土を結ぶ「クリミア橋」について、「多方面での防御が必要とされ、(ロシアにとって)安全保障上の大きな負担になっている」と指摘した。クリミア橋は繰り返しウクライナの攻撃を受けている。
 ロシア本土とクリミア半島間を直接結ぶ唯一の橋で主要交通路であるクリミア橋を巡っては、7月にウクライナの攻撃で損傷し死傷者も出た。ロシア側は今月に入り「橋は予定より早く修復された」と発表したが、英国防省によれば「開通したものの使用は制限されたまま」で、半島に向かうトラックや燃料はフェリーでの移送を余儀なくされているという。
 橋の防衛のため、他地域に配備するはずの防空システムや要員を割くことになり、ロシアの戦力はそがれている。英国防省は「この巨大で脆弱(ぜいじゃく)な建築物を守るというロシア治安部隊の自信は、ウクライナ軍の巧妙な作戦によって揺らいでいる」と分析した。
 一方、ロシアは18~19日にウクライナの東部、南部、北部の広範囲で空爆を実施。ウクライナ軍の19日の発表によると、ロシア軍は弾道ミサイルや巡航ミサイル、ドローンなどで軍事施設やインフラを攻撃した。 

(ニュース提供元:時事通信社)