【ワシントン、ロンドン時事】米英両軍は11日、イエメンの親イラン武装組織フーシ派に対する軍事攻撃を開始した。紅海で繰り返している商船攻撃をやめさせるのが狙い。フーシ派は反撃する構えを示しており、イスラエルとイスラム組織ハマスの軍事衝突で中東情勢が緊迫化する中、地域の緊張が一段と高まりそうだ。
 ロイター通信などが報じた。報道によると、攻撃は艦船、潜水艦、航空機から行われた。イエメンの首都サヌアなどでは爆発音が聞かれた。
 米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は、11日の記者会見で「フーシ派が紅海で商船にもたらす脅威に対抗し、打ち負かすため、なすべきことをするつもりだ」と表明していた。スナク英首相は11日夜に緊急閣議を開き、閣僚に軍事介入を説明していた。
 フーシ派はハマスへの連帯を示すとして、イスラエルに関連すると見なした船舶をミサイルなどで攻撃してきた。米国防総省によると、昨年11月19日以降の商船攻撃は27回に上り、同月には日本郵船運航の船舶も拿捕(だほ)された。
 紅海は国際海運の大動脈。米国は有志連合を主導し、軍艦を派遣して警戒に当たっているが、多くの海運会社が紅海の迂回(うかい)を余儀なくされ、世界経済への悪影響に懸念が高まっている。 

(ニュース提供元:時事通信社)