農林水産省は16日、能登半島地震で被災した石川、富山、新潟の3県で、しょうゆ工場の損壊被害が確認されたと公表した。魚醤「いしる」が有名な石川では建物の全壊を含め、7カ所が被災。みそや菓子の工場などでも、多くの被害が報告されている。イカ漁などが盛んな能登地方では漁船や漁港も壊滅的な打撃を受けており、地場の伝統的な食品産業への影響が懸念されている。
 坂本哲志農水相は記者会見で「まず地域の食品産業がしっかりと再生することに尽力し、消費者に安定的な供給ができる方向に持っていきたい」と語った。近く被災地を視察したい考えだ。
 水産分野では、196隻以上の漁船が転覆・座礁したほか、71以上の漁港で被害の報告があった。石川県輪島市から珠洲市にかけて日本海に面した漁港では地盤が隆起し、海底が露出しているという。
 農林分野では、農地や水路、ため池など農業用施設で730カ所以上、畜産農家の施設で40件以上、木材の加工・流通施設などで220件以上の損壊が確認された。 

(ニュース提供元:時事通信社)