東北、上越、北陸各新幹線が架線トラブルによる停電で長時間運休した問題で、JR東日本は30日、破損した架線の張力調整装置の緊急点検を行った結果、同社管内にある約490カ所のうち約250カ所で交換目安となる30年を超えて使われていたと明らかにした。ひび割れなどの異常はなかった。同社は装置の補強や切り替えなどの対策を行う。
 同社は停電から1週間たった30日、初めて記者会見を開催。池田裕彦常務らが「多くのお客さまに多大なるご迷惑をおかけしたことを深くおわび申し上げる」と頭を下げた。
 停電は23日午前、上野―大宮間の上り線で発生。JR東によると、現場付近では架線の張力調整装置のうち、1トン超の重り部分を支える鉄製の棒が破断しており、張力を失った架線が垂れ下がっていた。
 破損した装置は新幹線が上野まで延伸した1985年から38年間使われていた。昨年6月と10月の検査では異常は見つからなかった。 

(ニュース提供元:時事通信社)