自社開発できるAI活用の対策本部支援システム
第32回:BCPをDXするということ
林田 朋之
北海道大学大学院修了後、富士通を経て、米シスコシステムズ入社。独立コンサルタントとして企業の IT、情報セキュリティー、危機管理、自然災害、新型インフルエンザ等の BCPコンサルティング業務に携わる。現在はプリンシプル BCP 研究所所長として企業のコンサルティング業務や講演活動を展開。著書に「マルチメディアATMの展望」(日経BP社)など。
2024/10/18
企業を変えるBCP
林田 朋之
北海道大学大学院修了後、富士通を経て、米シスコシステムズ入社。独立コンサルタントとして企業の IT、情報セキュリティー、危機管理、自然災害、新型インフルエンザ等の BCPコンサルティング業務に携わる。現在はプリンシプル BCP 研究所所長として企業のコンサルティング業務や講演活動を展開。著書に「マルチメディアATMの展望」(日経BP社)など。
大規模な地震が発生するたび、自治体の救援活動や企業のBCP行動が問題になります。多くの場合、社会や取引先などからよい評価を得ることができず、常に繰り返される根本的な課題を指摘され、解決できない状況が続いています。
例えば、自治体では危機管理系の人材・組織(質、量とも)に脆弱性を見てとることができ、企業においては対策本部事務局にスキルや組織をまとめる能力、特に司令塔的要素が欠けていると言われます。
現場担当者(対策本部事務局)は広範な危機管理スキルと司令塔的センスを同時に求められ、かつ、有事に際しては強靭な精神力が求められます。昔に策定した初動マニュアルがまるでなかったかのような経営陣のあいまいな指示と試行錯誤の行動で手戻りが続き、加えて外部の批判により、彼らの体力と精神状態は疲弊するばかりです。
こうした状況は、自治体にしろ、企業にしろ、BCPや危機管理の対応を怠っているためではなく、人事異動や退職などでいわゆる「わかっている人」が組織から外れ、その際にスキルの継承ができないことによります。有事に至るまでの長期、危機管理部門にスキルを持った人材をつなぎ留めておく余裕がないことがその本質的な原因ではないかと考えています。
ただ、こうした問題は何もBCPに限ったことではありません。ほとんどの製造系大企業の中核業務において同様のことが起きており、技術やスキルを継承できないため委託先に依存し、空洞化が加速している状況とまったく同じです。
小職のセミナーにおいても、異動によって初めてBCPや危機管理をやりますという方が多く参加され、自治体や公企業、民間企業とも、このような不安を抱える人たちがあとを絶ちません。特に闇が深そうなのは、自治体の災害対応です。実際のところ、報道などで取り上げられる後手後手の対応を聞くと、ある意味気の毒な思いもあります。
企業のサプライチェーンにおいても、いつやってくるのか分からない災害とBCP的状況に備えるには、やはり経営陣のリーダーシップによるガバナンスが求められることはいうまでもありません。
こうした状況を変革する一助になり得る可能性があるとすれば、それは人の代わりに働くAIの活用ということになります。最終的な判断は人間が行うという前提で、前さばきの部分でAIに働いてもらうことは、他社に依存せず、自社で能力を保有するという点において理に適っています。
企業を変えるBCPの他の記事
おすすめ記事
企業の副業解禁とコンプライアンス対策を支援
企業の副業解禁の流れが加速している。従業員は本業以外の労働を増やすことで、収入増が見込める。従業員が副業で獲得したスキルで、本業への貢献も期待できる。企業側にとっても、副業は採用活動に活用できる。業務発注から関係を深めてからの転職や採用後のミスマッチを防止する効果がある。一方で、副業の一般化に伴い、同業他社での競業や情報漏えい、ブランド毀損、過重労働など、副業リスクは増加している。フクスケ(東京都千代田区)は、企業の副業制度の運用支援に加え、副業コンプライアンス向上に関するデータを分析し、リスク診断サービスも提供している。代表取締役社長の小林大介さんに、企業の副業解禁がもたらす影響について話を聞いた。
2026/06/12
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2026/06/09
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2026/06/05
失われた危機意識を取り戻す災害図上訓練で自分ごと化 ミツバ
どのメーカー系列にも属さず、複数の自動車メーカーや1次サプライヤーに四輪と二輪用の電装部品を供給する独立系のサプライヤーであるミツバ(群馬県桐生市、日野貞実代表取締役社長)。近年、過去に考えられた災害対策が、途絶えつつあった。同社では“自分ごと化”で従業員の危機意識を高めるため、災害図上訓練を実施。参加者の意欲が高まり、対策用の新たな要望が集まるなど、確実な手応えを感じている。
2026/05/26
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方