新潟県村上市長政の「三幸製菓」荒川工場で2022年2月、6人が死亡、1人が負傷した火災で、県警は2日、業務上過失致死傷容疑で、同社の佐藤元保最高経営責任者(CEO)(53)や当時の工場長ら計4人を書類送検した。
 県警は、同社は過去にも同じ原因とみられる火災が起きていたのに防火対策などを怠っており、幹部に刑事責任があると判断した。
 一方、新潟労働局も同日、防火に必要な措置を講じなかったとして、労働安全衛生法違反容疑で同社と佐藤CEOを書類送検した。
 県警の送検容疑は、工場の乾燥機内のせんべいくずの堆積を防ぐ対策や、深夜時間の防火体制に関する安全管理を怠り、22年2月11日午後11時35分ごろ、せんべいやおかきなどを製造する棟で火災を起こし、アルバイトの60~70代の女性4人と20代の男性社員2人を焼死させ、1人を負傷させた疑い。
 総務省消防庁が23年3月に公表した調査報告書によると、せんべいを焼く工程で、乾燥機に堆積したかけらが発火したことが出火原因となった。村上市消防本部によると、同工場では1988~2019年、ぼやや部分焼が8件起きていた。大半は、乾燥機内のせんべいのかすが原因とみられている。 
〔写真説明〕新潟県警本部=新潟市中央区

(ニュース提供元:時事通信社)