【ワシントン時事】国際通貨基金(IMF)は5日公表したリポートで、米中堅銀行シリコンバレー銀行(SVB)が2023年3月に経営破綻してから1年後の今も、「米銀行部門の脆弱(ぜいじゃく)性は続いている」と警告した。米銀を巡っては、特に地銀の一部で商業用不動産向け融資に関する懸念が高まっている。
 IMFは、連邦準備制度理事会(FRB)の利上げに伴い、高水準の債券含み損を抱えている銀行への懸念が継続していると明言。含み損は23年10〜12月期に4770億ドル(約72兆円)に上り、そのうち約3分の2は住宅ローン担保証券(RMBS)関連と指摘した。
 また、米銀の3分の1でオフィスなど商業用不動産関連の貸し出しが、中核的自己資本の3倍を上回った。こうした商業用不動産にリスクが集中している銀行は、大部分が小規模行や地銀という。 
〔写真説明〕国際通貨基金(IMF)本部=米ワシントン(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)