【ベルリン時事】米電気自動車(EV)大手テスラは5日、ドイツのベルリン近郊にある工場で停電が発生したため、稼働を停止した。工場に電力を供給する設備が燃えて損傷したことが原因。警察は放火とみて調べている。ドイツの極左団体は「テスラを妨害した」と犯行声明を出し、環境資源や労働力が搾取されていると主張した。
 独メディアによると、早期の操業再開は難しく、損失は5億ユーロ(約810億円)を超える可能性があるという。テスラのマスク最高経営責任者はX(旧ツイッター)で、今回の犯行は「極めて愚かだ」と憤った。
 火災により送電塔の一部が焼け、近隣の住宅地を含む一帯が停電した。フェーザー内相は「電力インフラに対する攻撃は、決して正当化できない重大犯罪だ」と批判した。
 工場の生産能力は年間50万台。現在は「モデルY」などを製造している。この極左団体は2021年の工場建設中にも送電設備に放火した疑いがある。 
〔写真説明〕テスラのドイツ工場近くで、損傷した高圧送電塔を調べる警察官=5日、ベルリン近郊グリューンハイデ(EPA時事)

(ニュース提供元:時事通信社)