東日本大震災から13年を迎えた11日、原子力規制委員会の山中伸介委員長が事務局の原子力規制庁職員に対して訓示した。「原子力に100%の安全はない」と述べ、引き続き原発審査に厳しい姿勢で臨むよう求めた。
 1月に発生した能登半島地震で変圧器が破損した北陸電力志賀原発について、「地震直後から安全性は確保されている」としながらも、担当職員に対し「引き続き状態が維持されているか確認していただきたい」と指摘した。
 廃炉作業の進む東京電力福島第1原発については「(阪神大震災で被災した)兵庫や大阪の復興のスピードと福島を比較すると、原子力事故の影響の大きさや罪深さを感じざるを得ない」と強調。職員に対し「あのような事故は二度と起こさないことを肝に銘じ、常に科学技術に基づいた判断をしてほしい」と呼び掛けた。 
〔写真説明〕原子力規制委員会の山中伸介委員長

(ニュース提供元:時事通信社)