【台北時事】台湾当局によると、3日午前7時58分(日本時間同8時58分)ごろ、台湾東部沿岸を震源とするマグニチュード(M)7.2の地震が発生した。北部・台北を含む全土で揺れを観測。当局によると、震源に近い東部・花蓮で4人の死亡が確認された。建物の崩壊などですでに60件以上の負傷者情報があり、被害が拡大する可能性がある。
 中央気象局は記者会見で、2400人以上の死者が出た1999年以来「最大規模」と説明。今回の地震が本震とみられるが、3~4日内に大きな余震が起こる可能性があると指摘した。当局は沿岸地域に一時津波警報を発令した。
 当局や現地メディアによると、花蓮ではビル2棟が傾斜し一部崩壊。大手民放TVBSは、崩れながら傾く8階建てのビル周辺から逃げる人々の様子を伝えた。同ビルからは警察や消防により9人が救出されたが、さらに閉じ込められた人がいるとみられ、救助作業が続いている。別の5階建てのビルでは、1階の飲食店がつぶれた。
 台北では通勤や通学時間帯の地下鉄が緊急停止し、高速鉄道(台湾新幹線)も一部が遅延、運休となった。南部・台南では水道管の破裂で道路が冠水する被害が出ている。 
〔写真説明〕3日、地震で傾いた台湾東部・花蓮の建物(AFP時事)
〔写真説明〕3日、地震により天井が崩落した台湾北部・新北市の工場倉庫(撮影者提供)

(ニュース提供元:時事通信社)