【ソウル時事】北朝鮮の朝鮮中央通信は23日、軍が22日に戦術核を使った反撃を想定した「超大型放射砲(多連装ロケット砲)」の発射訓練を実施したと報じた。韓国軍が確認していた22日の短距離弾道ミサイル発射を指すとみられる。訓練は「核の引き金」と名付けた指揮統制システムの下で初めて行われ、金正恩朝鮮労働党総書記が指導した。
 超大型放射砲は射程400キロ程度の短距離弾道ミサイルで、韓国に照準を定めた兵器。北朝鮮には、有事に韓国軍・在韓米軍の飛行場や港といった主要施設をこの兵器で攻撃する意図があるとされる。
 米韓両国の空軍は、12~26日の日程で合同訓練を実施している。朝鮮中央通信は合同訓練を「挑発的だ」と非難し、超大型放射砲の発射で「敵に警告を送った」と主張した。
 「核の引き金」については、「国家核兵器総合管理システム」の名称だと伝えた。正恩氏の指揮に基づき、核攻撃命令からミサイル発射までを統制するシステムとみられる。
 同通信によると、訓練では、核危機発生の警報が発令され、部隊が核反撃態勢に移行。模擬の核弾頭を搭載した超大型放射砲を発射した。ミサイルは352キロを飛行し、標的の島に命中したという。 
〔写真説明〕北朝鮮が戦術核による反撃を想定して22日実施した「超大型放射砲」の発射訓練(朝鮮通信・時事)
〔写真説明〕22日、「超大型放射砲」の発射訓練を視察する北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記=撮影場所不明(朝鮮中央通信配信)(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)