2024/04/30
防災・危機管理ニュース
アジア開発銀行(ADB)は5月2~5日の日程で、年次総会など一連の会合をジョージア・トビリシで開く。浅川雅嗣総裁が3日に記者会見して開幕を宣言。ドル高と根強いインフレが世界経済に影を落とす中、危機に備えたADBの融資能力の拡大や気候変動対策で域内の協力を模索する。日本からは鈴木俊一財務相と日銀の植田和男総裁が出席する予定だ。
米国の底堅い経済状況を背景に、連邦準備制度理事会(FRB)による金利引き下げ観測は後退。高金利のドルを買う動きが進んでおり、今年初めからアジア通貨はドルに対し、日本円が9.4%、タイバーツが7.8%、韓国ウォンが5.6%それぞれ下落(4月25日時点)するなど、通貨安が進む。
通貨安は、コロナ禍やウクライナ侵攻で加速したインフレの沈静化を遅らせる。ADBは4月、アジア太平洋46カ国・地域(日本などを除く)の2024年のインフレ率を3.2%と予想。前年からインフレが1.1ポイント抑制された23年に比べ、24年は0.1ポイント減とほぼ横ばいを見込んだ。
再びインフレが進めば、食料やエネルギーの価格高騰のほか、対外債務の膨張などで低所得国を中心に経済に深刻な悪影響を及ぼしかねない。総会では、こうした経済情勢への認識を共有するとともに、気候変動で激甚化している自然災害の際の緊急資金融通など、域内の経済・金融面での協力強化に向けて意見を交わす見通しだ。
3日には日本、中国、韓国の3カ国と東南アジア諸国連合(ASEAN)の財務相・中央銀行総裁会議も開催。期間中にはこのほか、日中韓や日・太平洋島しょ国の財務相会議も開く見通しだ。
(ニュース提供元:時事通信社)
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